1200年前の京都(平安京)は、どのような音に包まれていたのだろうか?
アート×サイエンス・テクノロジーの祭典「KYOTO STEAM-世界文化交流祭-」と電子音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK.JP」のコラボレーションによるアートプロジェクト「NAQUYO」が、3月27日(土)に平安京のサウンドスケープ(風景)をテーマにした3組のアーティストによるライブパフォーマンスを開催する。そして、3月28日(日)には後進の育成を目的としたオーディオビジュアルワークショップが「ロームシアター京都」にて開催される。
平安遷都(794 年)から遡ること 30年前、平城京から遠く離れた桜島の噴火の音が聞こえたという記述が『続日本紀』にある。それは、当時の都を包み込む音環境が、現代からはおよそ考えられないほど、清明に澄み渡るものだったことを意味している。
また、平安期に書かれた『枕草子』『源氏物語』『宇津保物語』などには、雅楽や声明、寺院から鳴る梵鐘の音や季節ごとに変わる虫の声、町の喧噪など、日常生活の中で聞こえてくるありふれた音が書きとめられている。これらも、作者たちの創造の源泉だったのかもしれない。
「NAQUYO」の第一弾として 2020年10月に開かれた「平安京の幻視宇宙とは何か?」を考察したオンライントーク&ライブ、そして第二弾として同年 12月に開かれた「文学と美術史料から平安京の音風景」を探ったオンライントークに続く今回は、アーティストが平安京のサウンドスケープをテーマにしたライブパフォーマンスを披露する。プログラムの内容は下記の通りだ。
MUTEK.JP 2018で初共演したサウンドアーティストのKazuya Nagayaとトルコ出身のビジュアルアーティストAli M. Demirelのコラボレーション。MUTEK Montreal 2020へ出演した京都 拠点のオーディオビジュアルアーティストJunichi Akagawaと、京都拠点のダンスチームnousesの片割れ、山本晃ことnouseskouとのコラボレーション。そして MUTEK.JP 2021 で初共演を果たしたことも記憶に新しいプロデューサーYuri UranoとビジュアルアーティストManami Sakamotoの組み合わせとなる。
3月27日(土)は上記3組が京都市内各所の寺院でレコーディングした、梵鐘の音を使用したライブ表現に挑む。平安京のサウンドスケープ、電子音楽、アンビエント、デジタルアート、コンテンポラリーダンス組み合わさった、全く新しい作品になるだろう。
そして、3月28日(日)音楽/ビジュアルワークショップでは、AbletonとTouchDesigner by Derivative協力のもと、アートとテクノロジーの融合について理論的・実践的に学べる4つのセッションを展開する。
Kazuya Nagayaによる音楽制作の思考プロセスについて。次にAyakoOkamuraによるTouchDesignerとAbleton Liveを用いたオーディオビジュアル連携の解説。加えて、京都を中心に活動するデジタル/テック・クリエイティブのコミュニティ、SPEKTRAによるクリエイティブプレゼンテーションを展開。最後は、Junichi AkagawaによるAblton & TouchDesigneを駆使して表現するNAQUYO LIVEでのパフォーマンス内容をご紹介する。
「NAQUYO」は単なる音の仮想的な再現にとどまらず、平安京の音環境を見つめ直すことにより、これまで見過ごされていた都市における音環境の重要性に光を当てていきます。そこから五感を通じて得られる何かを、未来へのヒントにして創造力を刺激し、新しい文化を耕し、育み、磨いていく。
本イベントは参加費無料。参加定員(先着順)があるとのことでご希望の方は事前に申込みをしよう。
https://kyoto-steam.com/program/event04/
開催概要
■ライブパフォーマンス
TITLE
NAQUYO LIVE PERFORMANCE
DATE
2021年3月27日(土)18:00~20:00(開場 17:30)
VENUE
ロームシアター京都 サウスホール
PERFORMER
Kazuya Nagaya + Ali M. Demirel
Junichi Akagawa + nouseskou
Yuri Urano + Manami Sakamoto
FEE
参加無料
参加定員
200 名(先着順・小学生以上)
申込期限
2021年3月24日(水)まで
申込先
KYOTO STEAM-世界文化交流祭-実行委員会事務局
https://bit.ly/3bLjP9j
■オーディオビジュアルワークショップ
TITLE
NAQUYO Audiovisual Workshop
DATE
2021年3月28日(日)14:00~17:00(開場 13:30)
VENUE
ロームシアター京都 ノースホール
プログラム/出演
Session 1:静寂の技法~過去の音、未来の静寂のために
Kazuya Nagaya(サウンドアーティスト)
Session 2:オーディオビジュアル基礎 – Ableton Live と TouchDesigner の連携について
Ayako Okamura(メディアアーティスト、エデュケーター)
Session 3:光と空間演出について
Kosei Ikeda & Toyoshi Morioka (SPEKTRA)
Session 4:裏から覗くパフォーマンス
Junichi Akagawa(オーディオビジュアルアーティスト)
FEE
参加無料
参加定員
50名(先着順)
申込期限
2021年3月25日(木)まで
申込先
KYOTO STEAM-世界文化交流祭-実行委員会事務局
https://bit.ly/3bLtrAR